島原市を訪れたとき、どこか静かな場所でリラックスしたいと思っていた私は、地元の人に勧められて「しまばら水屋敷」を訪れました。訪れてみたら、思っていた以上に心地よい時間を過ごせました。明治時代に建てられた木造家屋は、今でもその風情を保っており、外から見ただけでも時間が止まったような感覚になります。店内に入ると、まず感じるのは自然の涼しさ。扇風機がいくつか回っていたものの、クーラーは使われていなかったので、空気の流れがとても気持ちよかったです。夏の暑さを感じさせない空間は、本当に癒やしの場所でした。
注文したのは「かんざらし冷珈琲セット」。アイスコーヒーは時間をかけてじっくりと抽出された水出しコーヒーで、深いコクとまろやかな味わいが口に広がりました。かんざらしは、白玉を甘いシロップに浸した島原の伝統的なスイーツで、もちもちとした食感と控えめな甘さが特徴です。甘さが強すぎず、シンプルで素朴な味わいはどこか懐かしさを感じさせます。このセットと一緒に、抹茶とコーヒーの組み合わせも試してみましたが、どちらも丁寧に淹れてあり、味のバランスがとても良くて驚きました。
座敷から見える庭には、透き通った水の池が広がっており、水面に映る緑がとても美しく、癒やされます。まるで時間がゆっくりと流れるかのようでした。池の周囲には、木々が繁り、自然の音が心地よく響きます。この場所で時間を忘れて過ごすことができるのは、本当に贅沢な体験でした。また、2階には「招き猫屋敷」という空間があり、店主さんが集めたさまざまな招き猫や、猫以外のキャラクターも飾られていました。笑ってしまうようなユニークな飾り物が、お店の個性を引き立てているように思いました。
訪問したのは夏の時期でしたが、それでも暑さを感じさせない空間に驚きました。その理由は、建物の風通しだけではなく、池の水の冷たさや、木々の影が日差しを遮っているからかもしれません。店内には、地元の素材や伝統を活かした雑貨が並んでおり、それもまた魅力の一つです。また、8月の訪問では予想外に貸し切り状態で、静かな時間を過ごすことができました。普段は混雑しているのかもしれませんが、時間帯によっては静かな空間を楽しめるのかもしれません。
このお店は、島原市に訪れたときにぜひ立ち寄りたい場所の一つです。歴史ある建物と、その中で楽しめる伝統的なスイーツ、そして心地よい空間が、訪れた人を心から癒してくれるからです。特に、観光の合間に1時間でものんびりしたいという人には、おすすめしたい場所です。また、家族連れやカップルでも楽しめる雰囲気で、誰にとっても良い思い出になる場所になるでしょう。次回は、別のメニューを試してみたいと思っています。