北広島町の小さな道を歩いていると、ふと目につくカフェがある。名前はあまり知られていないが、その存在はとてもユニークだ。外観は普通の家のように見えるが、中に入るととたんに異世界に来てしまったような感覚になる。木の香りが漂い、どこかスリランカのような雑貨や本が飾られている。まるで誰かの部屋に遊びに来たような、温かみのある空間だ。特にステージがある場所は、夜にはライブが行われるのだろうかと想像する。店内にはトイレがないので、駐車場の隣に設置されているが、冬は和式トイレが寒いという声も聞かれる。でもそれもまた、自然体で過ごせる理由の一つかもしれない。
私はランチで訪れたが、パンケーキとぜんざい、コーヒーを注文した。パンケーキは外はサクサク、中はふわふわで、トッピングのリンゴや生クリームが絶妙。ぜんざいはミルク入りのようなくらい優しい味で、素朴で懐かしい。コーヒーは酸味が強めだが、苦味も程よく、味に深みがある。ただ、メニューはそれほど豊富ではないが、その分一つ一つに丁寧な手間が感じられる。特にオーナーさんの本が店内に並んでいて、ぞうさんに関する書籍がたくさんあるのが面白い。それも含めて、お店のコンセプトがしっかりしている。
訪れた人の多くが、その不思議な空間に惹かれる。小さな子どもがいる家族や、ペットを連れてくる人も多い。特に、犬が自由に動き回れるのは嬉しい。オーナーさんもとても親切で、話しかけられると笑顔で応じてくれる。以前は地元の保健支援センターの近くにあり、地元の人たちの交流の場として定着しているらしい。また、出版事業もしているようで、本を読むだけでなく、何かを発信する場所でもあるようだ。そんな風に、カフェは単なる飲食店ではなく、コミュニティの拠点のような存在になっている。
このカフェの魅力は、何よりも「非日常」な体験ができる点だ。通常のカフェでは味わえない、特別な時間を過ごせる。例えば、店内のインテリアに目を奪われながら、時間を忘れて過ごすことができる。また、地元の人が集まる場所として、観光客だけでなく地元の人たちも利用している。その中で出会う人との会話や、雑貨の一つ一つに込められた物語も、また魅力の一つだ。特に、オーナーさんの本を読むと、このカフェのコンセプトや思いがさらに深く理解できる。そのような積み重ねが、この場所をより特別にしている。
このカフェは、ただの食事や休憩の場ではなく、心を癒す場所だ。自然と人との触れ合い、そして自分なりの時間を見つけることができる。特に、忙しい日常を抜け出して、心をリセットしたい時におすすめだ。また、家族連れやペットを連れてくる人も、きっと楽しめることだろう。北広島町の小さな道に隠れたこの場所は、都会の喧騒から離れ、自分だけの時間を見つけるのに最適な場所だ。次回は、ヤギのミルクコーヒーを試してみたいと思っている。