この店は八王子市にある小さな喫茶店で、京王八王子駅の西口を出て少し歩いた場所にあります。通りの奥まった場所にあるので、見つけにくいかもしれませんが、その分静かな雰囲気を楽しめるのが魅力です。お店の名前は「ねずみのこと」という、ちょっとユニークな名前で、実は開店当時、天井裏でねずみがコトコトしていたことからついたのだとか。そんなエピソードも、この店の親しみやすさをより一層引き立てています。店内は薄暗く、木の温もりを感じる和風の内装で、まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような感覚になります。天井には大きな絵画が飾られており、壁には古い時計や絵画が並んでいます。全14席のこじんまりとした空間で、静かに流れる音楽が心地よく、時間がゆっくりと流れているように感じます。この店の最大の魅力は、昭和の雰囲気と温かみのあるカレーです。メニューにはカレーライスセットが人気で、ミニ、小盛り、普通、大盛りから選べます。私は普通盛りを注文し、ドリンクはホットコーヒーにしました。カレーは家庭的な味わいがあり、野菜の甘みとスパイスのバランスが絶妙です。特にコーンが入っているのが珍しく、食感のアクセントになっていました。ご飯も炊きたてで、美味しくいただきました。食後のホットコーヒーは、軽めのボディー感でさっぱりとしており、カレーの後にぴったりでした。また、店内は喫煙可能で、タバコの煙が気になる方もいるかもしれませんが、清潔で煙草の匂いもあまり感じませんでした。2階は画廊として貸し出されており、芸術作品の展示も行われているようです。この店のもう一つの魅力は、店主の話です。以前はご夫婦で営業されていて、たくさんの種類の食事も出していたそうですが、現在はマスターひとりで営業されています。お店の歴史や、カレーのレシピについても丁寧に教えてくれます。また、店内には猫のグッズがあちこちにあり、店主のエピソードも聞くことができます。この店は昭和44年(1969年)から続く老舗で、50年以上の歴史があります。京王八王子駅から徒歩1分という立地ながら、隠れ家的な雰囲気で、静かに過ごしたいときや、懐かしい昭和の雰囲気を味わいたいときにおすすめです。次回は、カレートーストやカスピ海ヨーグルトなど、他のメニューも試してみたいと思います。