富岡市にある小さなカフェに訪れた時は、まるで別世界にいるような感覚になりました。駅から少し歩いた場所にあるこのお店は、明治時代に建てられた大谷石の倉庫を改築した建物で、その重厚な石壁と高い天井がとても印象的でした。店内には優しく流れているジャズの音楽に加え、ほのかな香りが漂っており、落ち着いた空間が広がっていました。平日だったせいか、客は私を含めてわずか数人で、静かな時間を楽しむことができました。店内の雰囲気はとても心地よく、時間を忘れてくつろげたのは大きな魅力でした。
メニューはフランス風の料理が中心で、ガレットやクレープが人気のようです。私はガレットとスープのセットを注文しましたが、スープはその日の野菜が使われていて、とても美味しくて驚きました。ガレットの生地はサクサクで、具材の味がしっかり感じられ、どの一口も満足感がありました。また、飲み物の選択肢も豊富で、コーヒー、紅茶、桑の葉オレなどがあり、どれも手頃な価格で楽しめます。特に桑の葉オレは、見た目も鮮やかで、味はほのかな甘さとほろ苦さが混ざった、不思議な飲み物でした。
お店のスタッフはとても親切で、丁寧な応対が心地よかったです。また、このカフェの運営には障害者雇用の取り組みもあり、地域の活性化に貢献していると聞きました。そのような背景があると、ただのカフェではなく、地域に根ざした存在として感じられました。店内の装飾や照明も工夫されており、まるで雑誌の写真のような空間が広がっていました。隣接するショップでは、手作りのアクセサリーが販売されており、それも魅力の一つでした。
お店の雰囲気だけでなく、食事の質もとても満足できるものでした。ガレットやクレープの他にも、バスク風チーズケーキやガトーショコラなど、スイーツも人気のようです。私はバスク風チーズケーキを試しましたが、しっとりとした食感と濃厚な味わいがとても印象的でした。また、ドリンクセットで100円の割引があり、リーズナブルに楽しめる点も魅力的です。テイクアウトも可能で、お土産に持ち帰ることもできました。雨の日でも、店内は落ち着いた空間で、雨の音が心地よく響いていました。
このカフェは、ただの食事処ではなく、心を癒してくれる場所に感じられました。歴史ある建物と現代的なデザインが融合した空間は、まるでタイムスリップしたような感覚に。また、地元の食材を使い、フランスの料理をアレンジしたメニューは、新鮮でクオリティが高く、リピートしたくなるほどでした。富岡市に来た際には、ぜひ立ち寄りたいカフェの一つです。静かな空間で、美味しい料理を味わえるこの場所は、日常の疲れを癒すのにぴったりです。また、地域の取り組みにも触れることができ、心が温かくなりました。